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大人になってからアダルトチルドレンを知って、わかったことや気付いたことと、これからのこと。

文章

下り道を駆け上がる

随分と水を吸い込んだコンクリートは 今夜の気温の反射で眩しい 自分の息遣いがうるさいくらい響いていて すれ違う人がスローモーション、そして滲んで見えた 自分の動悸が思考を邪魔して傘も風に奪われそうで 空回りそうになった自分の足に気づいて、一度止…

ストライプ

八羽のカラフルな鶴ができた パーティーのような鶴だ だからといって私は浮かれているわけでもないし 嬉しくもない ただ鶴を丁寧に折っている間だけ、気持ちが静かになる 価値を忘れられる もちろん 無価値であることも忘れられる あの日に私はいない 今日に…

まばたき

あの時隣り合わせで見た夕焼けがこんな色だったけど 今はもうどうでもいいことで どうせ毎日同じような歪み方をして 捻じ込まれた些細な記憶 こんなにも鮮やかに色を付けて現れる あまりにも突然に 堂々と 匂いを連れていた あの時の隣り合わせた肩に寄せた…

曖昧な記憶の中から心地よい時間だけ取り出して思い出にした 腐っても分解されて朽ちてくれない不気味な感情のなり損ないみたいな確かな事実は どこにしまっても同じだった 同じだったから もう 大切にするのは難しかったけど大切だったよ 途中まで一緒に歩…

村上春樹の電話ボックスに脚注がつく日

私が小説を読むようになったきっかけは江戸川乱歩の作品で、確か小学6年生頃だったと思う。長い夏休み、近くの図書館に通った。 図書館に通い始めたのは、本を読むためではなかった。自宅では宿題ができなかったからだ。自宅にいると、家の事をしなくてはな…

沈殿

上澄みは透明度を増している 時間を正しく過ごしていれば 重いものから沈んでいく 順に 見上げたら空は光って見えた 屈折した光は奥底まで照らした 知らないルールに従って たしかに届いた 辟易した過去からの光 あらわになった足元は泥水に沈んでいた 選ば…

空欄の彼女

謝りたいことがあるんだけど、と彼女が言った。 俯いてる顔は見えないが、申し訳なさそうな雰囲気がする。 かなり唐突な言葉にどきりとする。買ってきたばかりの缶コーヒーを二つテーブルに置くと、彼女は缶コーヒーを手に取り、両手を温めた。私はプルタブ…

しらない日々へ

使わない記憶を上手に処理して忘れていく そうして過ごす今日もやっと 昨日の偽物のいたみを労わることだって 大切だった 明日すら信じていないのに 求めた分だけの時間も 求められた分だけの時間も あやふやに仕舞い込んで とても大切なものなんだな?と気…

敷き詰められた無情、問われなかった意味、重いものの正体

何もない場所に行ったことがある。 言葉にした途端に嘘っぽくなるのが悔しいけれど、残してみようと思う。 そこは真っ暗で、真っ暗で、真っ暗過ぎてもしかして真っ白だったかもしれない。 とにかく何もない。何もないのは、「無いように」「見えた」だけかも…

氷柱

泣いて溶けて消えたのかい 落ちて溜まり飲まれて浸透 吸われ巡り姿変えても そこにいるんだね わかった気がした 繰り返し読んだ僕らの話 繰り返し聞こえた君の歌 思慮はぬくもりを添えて 良ければどうぞ程度にささやかな なんて強く なんていさぎよい 乱れ始…

つむぎいと

誰かの指から紡がれた模様 絡まりに絡まりすぎたややこしい紬糸 誰かの指からため息 日々めまぐるしく紡ぐ人 安堵のため息か 窓はあるか 景色はあるか 意識はあるか それは自分のものか 几帳面な誰かの理路整然紡がれた模様 絡まりを解く仕草に感心する 楽し…

ただ静かに

祈りでもない 願いに近い ただ静かに 祈ればいいのに 目を閉じるのは何かを見たいわけでも見たくないわけでもない 思い出したいことも思い出したくないこともない なにもない なにもないということがある 折鶴を数羽 机に並べて なににもならないことをする …

多年草       

少し強い 少し弱い でも 根は深く 時には宿根草よりも 土地に馴染めば 愛想笑いも 尊き色に 映えるころ ダリアの行く末 見守って ぼたりと落ちて 朽ちるまで 見守って

橋の上 

せせらぐ音無しかき消される存在に興味なく照らされ返した今日の太陽草木の隙間を縫い流れ続ける守ることも守られることもないまま無防備な摂理されるがままの自由真ん中で止まった僕止まらない流れに映る止まった影揺れる水面震える心守り守られではないけ…

my backnumber to lock the door on the inside ジュニア辞書で精いっぱい作った後ろと前の文脈です。タイトルはこんなニュアンスで表したかったです。