沈殿
上澄みは透明度を増している
時間を正しく過ごしていれば 重いものから沈んでいく
順に
見上げたら空は光って見えた 屈折した光は奥底まで照らした
知らないルールに従って たしかに届いた 辟易した過去からの光
あらわになった足元は泥水に沈んでいた 選ばれし重い泥
ただそれより重かっただけの泥に纏わりつかれて見ていた どこからくるのかを
なにもかもをしらずにここに溜まってしまった
ぬるり ざらり うらぎり さえぎり ひかり 風もないこの混沌にひらり手のひらを
返して持ち去ったものすべて返して どうにも許せない
我が物のようにひけらかしてくれるな それは私の重い泥だ
時間を捨てて ここに落ちてくるまで 待っていたんだ
大切なものなんだ
くだらないといって 見せびらかすな