他人の思考回路に水を差す
数日前、のどが潰れてしまいそうな外圧を受けた、ような、痛みを感じた。
「だったらやめた方がいいかもしれない。」私はそう言った。
確かにそう言ったんだけど、それを言う前にのどが痛んだ。
言うべきか、言わざるべきか、本当はそんなこと言いたくない。
諦めないでほしい。やめないでほしい。見つけたものが藁でもいい、しっかり、つかんでほしい。
子供が進路についてナイーブになっていたのだ。
私には「悩んでいる」というより「分裂した感情をぶつける場所を探している」ように見えた。実際にそうだったの(部分的に)かもしれないけど、彼はしっかりと悩んでいるに違いなかった。
支離滅裂な希望や絶望を聞き、一人称がころころと変わるたらればを聞き、社会の制度について(の断片的なイメージ)の不満を聞き、人間であることが嫌だ、地球が回るのも嘘だ、宇宙は誰かの遊びだ、と言う彼の話をふんふんと聞いていた。
目の前に、こんなにわかりやすく拗らせている人間がいるなんて奇跡、、!
漫画の中だけだと思ってた、、!(あとは本当に病)
自分が進路についてプレッシャーを感じたのは高校受験の時が最初で最後で、そのあとは就職活動する時も辞める時も悩んだりしたことがなかったので、私の時はどんなふうに考えて決めたのか聞かれたけど、「彼と同じ年の頃の自分」としての経験や思い出話をすることができなかった。
だから今の自分が思うことを言った。
○今、考えることは優先順位を付けた方がいい。
○優先順位は、進学するか、しないか。(「進学する」と答えた)
○進学するならば、「何を重点的に学びたいか」をピックアップする。
○進学するにあたって今の自分の学力で可能かどうか調べる。
それだけだ、と言った。
すると、彼の心の葛藤がどこにあるかわかった。
「何を学びたいか」というところで、興味のある分野はいくつかあるらしいのだけど、それが「就職に結びつかないから無駄だ」と言った。なぜそう思うのかはわからないのだけどイメージができないのだろう。その状態はわかる気がした。
そして進学の際には奨学金を利用するので、就職に結びつかない勉学はお金が無駄になると考えていた。
私は、それは片面では当たってると思うが、片面では間違っていると答えた。
○世の中には仕事に直結する勉強をする人がいる。そしてそうじゃない人もいる。
○勉強は就職のためだけにするものではない。人生そのものの為にする。
○勉強は知識を増やすためだけの行為ではない。得た知識を自分に馴染ませると人は変わる。成長ともいう。
○社会の仕組みは少しずつ変化している。就職に関しては、きっと、君が具体的にイメージできた時点で大丈夫、今はあまりにも漠然としているから、考えても仕方ない。
○就職は自分一人で決めるものではない。相手の会社の人間とのやり取りで決まる。
自分一人で決められるのは、進学先くらいだ。だから、しっかりと自分の意識を持って、選択して、決まるまで思う存分悩んだ方がいい。
2時間以上、話と妄想(彼の中では現実)を聞いて、1時間以上答えて、何も答えは出なかったけど、彼は清々したようだった。
「自由すぎるとつらい、制限が欲しい」と言ったので、freedomとlibertyは違う、まずは自分(の思考)がどこにいるのか確認した方がいい、と言って
気が付いたらもうほぼほぼ朝だったので慌てて寝ました。
○私は子供に対して使うべきではない言葉などをよく使うのですが、「他人には言われたくないこと」を私は言います。たとえば、子供の思考の弱点などをはっきり言います。ものすごい反撃が来ます。それにひとつひとつ応戦します。さらに反撃してきます。反撃の途中で子供の思考に変化が出ます(すごくよくある)最後の最後に、彼の中で一番納得のいく結果が出ます。それは自分の口から出るまで、本人もわかってなかった本心みたいなものです。
「他人に言われたくないこと」を「本当に他人に言われた時」どうなるか、大体は沈黙してしまうか、激昂してトラブルに発展したり、、。
それを「私相手」だったら、彼も思う存分「言い返せる」
言い返せる、というのはとても大切。
そう思って接しています。 ※ものすごく、疲れます。笑