暮れて月光冷凍保存、覚めて斜陽自然解凍
月が過剰なCG処理を加えたみたいに綺麗な夜、水道の凍結の心配をしながら、ストーブを付けっぱなしにすることに決めた夜、セーブ設定温度は10℃、10℃ってなんだよ。
外じゃねーか。
ベッドに入り、左手をお金を表す「これか」という形にして胸の前に置き、右腕を右頬を通過するように伸ばし激しく壁にぶつけ無言のまま痛がる。
腕を伸ばすのを諦め、右腕を「これか」の下に沿わせるように曲げ、脚を蛙がジャンプうする前のように曲げ、座禅のようなポーズをする。
オーマイゴッド
と呟いてみる。わりと大きめの声で。
とても無意味でばかばかしい。本当にもうなんなの。
しかし誰も見ていないので私はやり放題である。
両手を組み替えて「かんちょー」のポーズを取り、天井めがけて突き立てる。
勢いよくかつ誇らしげに、ダンスの停止モードのように決める。
手加減はしない
と呟いてみる。さっきより小さい声で、しかし声優のような声を出してみる。息遣いがポイント。
「…ッ手加減はッぁ(↑)しない…ッ!(→)」
脚は蛙のままである。
本気で意味がない。本気なんだ。ただの本気。
やりたいからやった。
気が済んだので、大きな深呼吸をして目を閉じた。
その日は近年まれにみる良眠。
ぐっすり眠れた。びっくりするくらい目覚めが良かった。
意味が生まれてしまった。
新しい技を考えてみよう…ッ
*自由の使い方の幅を広げていきたい所存です*