越えない、開く、そのときに
結う
知らぬ無念を知れぬまま結う
今日目覚めた私
目覚めの直後、白々しく瞼を閉じて、思う
ああ、今日がきた
ああ、また今日がきた
昨日折った鶴は裂いて四角にした紙袋
名前を打ち込んだ紙
折りこんで内側に消えた名前
そういえばそのようにして消えて行った名前
まだ探してる人がいる
探すことだけに日々を使えないが
忘れてしまったわけじゃない
もう自分の中に溶け込んでしまった
それを日常と呼ぶにはまだ、もう少しでしょうか
それを結いゝ呼ぶにはもう、もう少しでしょうか
ずいぶん前に、ずいぶん長い間、内側に織り込んだあなたの、
名前まで、もう少しでしょうか
八月十五日