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大人になってからアダルトチルドレンを知って、わかったことや気付いたことと、これからのこと。

自分を大切にする

時々、自分が自分になる前の細胞だった事実について考える。

その卵子とその精子が物凄い確率で結びついて、優劣共に携えた遺伝子が整列するよう設計されていて、さらに物凄い確率で胎児と成長し、私は性別と意識が同一の女として生まれた。

最近イメージとしてあるのが、ON、OFFで、ヒトとして組み込まれたDNAと、母親と父親が持つ私に血縁たるや知らしめるDNA。そのバランスと、可能性と、不可能性のこと。ヒトとして伸び白在る状態と、両親により限られている状態と。

私は、両親を愚かな人間だと思っている。少なからず、私を育てる経緯について愚かだったと思っている。ただ、一人の人間として見た時にはそんなに愚かしい人たちではなかったのかもしれない。

私にとっては親以外の何者でもなかったし、それ以外の部分は見えなかった。

大人になった今、ごく普通の家族のような状態であったなら、色々なものが見えたのかもしれないと思う。私の中に、言い尽くせぬ感謝の気持ち等々も生まれたのかもしれない。それはもう叶わないので可能性として想像してみるだけだけど。

 

劣性な部分を優性だと判断してしまう思考回路の持ち主であった両親に育てられた私は歪み続けることで円を保った。

歪みに気付くのは、大人になった脳からNOサインが出てからだった。「このままじゃしにます」という、ヒトの生命維持装置みたいなのが起動したからだと思ってる。

私が両親から受け継いだDNAだけで私であり続けていたら、その私のまましんでいた。ヒトとしてのDNAがハードディスクで、私としてのDNAがソフトウェア。

きっと、再起動ではどうにもならず、強制終了された。そして初期化され再構築された。散らかったどうでもいい情報は削除され、必要最低限の、起動するに堪えうる情報のみを作り、効果は弱い方かもしれないけれど通常運転には困らない程度のウィルス対策も備えて起動した。初期設定のON、OFFはシンプルで強固なものだ。

私がそんなことを考えるのは、「自分を大切にする」ということがどういうことなのかを、病気になって、治してる治療中に知ったから。

病気を治して「元の私」に戻ってしまったら、私は生きられない。そう知ったから。

初期設定には「自分を大切にする」という項目があって、その方法や約束事が表示されていた。それは私が私になる前の細胞だった頃の物凄い確率に向かって泳いだころに大前提でしかないことだった。うまれていきてしんでいく、そのためだけに。

 

 

 

my backnumber to lock the door on the inside ジュニア辞書で精いっぱい作った後ろと前の文脈です。タイトルはこんなニュアンスで表したかったです。